【会話でわかる!】”会計上の利益”と”税務上の利益”って何が違う!?

皆さん、こんにちは!北野税理士事務所の税理士、北野です。

今日は、多くの中小企業の社長さんが「???」となる、会計上の利益税務上の利益の違いについて、社長との会話形式で解説していきます!3分でサクッと読めるので、ぜひ最後までお付き合いください!

登場人物:

  • 北野:北野税理士事務所の税理士。丁寧な口調が持ち味。
  • 松木社長:町工場を営む人情に厚いけど、ちょっと口の悪い中小企業の社長。

「儲け」は一つじゃない!?松木社長、頭抱えるの巻

北野:松木社長、今期の決算書ができましたので、ご説明に上がりました。

松木社長:おお、北野君!待ってたぞ!どれどれ…ん?北野君、これおかしくないか!?

北野:と、申しますと?

松木社長:うちの会社の利益、会計上はしっかり出てるじゃないか!なのになんで、税金払うときの利益(所得)が、こんなに違うんだ!?まさか、お前、計算間違えてんじゃねえだろうな!?

北野:ははは、松木社長、ご安心ください。計算間違いではございません。これは「会計上の利益」と「税務上の利益(所得)」の違いによるものなんです。

松木社長:はぁ!?利益は利益だろうが!儲けは一つしかねえんだよ!税金払うときだけコロコロ変わるとか、わけわかんねえ!


「収益」と「益金」、「費用」と「損金」って何が違うんだ!?

北野:松木社長、落ち着いてください(汗)。まず、会社が「いくら儲かったか」を示すのが会計上の利益です。これは、株主さんや銀行さんなど、外部の人たちに「うちの会社の成績はこれです!」と報告するための数字です。ここで使うのが「収益」と「費用」です。

松木社長:ふむふむ、それはわかる。売上(収益)から経費(費用)引けば儲け(利益)だろうが。

北野:おっしゃる通りです。一方で、国に「これだけの税金払います」と計算するときに用いるのが税務上の利益(所得)です。ここで使うのが「益金」と「損金」という言葉なんです。

松木社長:益金?損金?なんだそれ!言葉遊びか!?結局、収益と費用のことだろ?

北野:はい、益金と損金は、基本的には会計と同じ収益と費用を指すのですが、目的が違うため、少しだけルールが違うんです

松木社長:ルールが違う?だから何が違うんだよ!


「受け取った配当金」が税金計算上、収益にならないってホント!?

北野:例えばですね、松木社長。「受取配当金」を思い出してください。

松木社長:配当金?ああ、前にうちが投資してる会社の株で、配当金をもらったやつか。あれは会社の儲けだから、ちゃんと収益にしてるぞ!

北野:おっしゃる通り、会計上は「収益」として計上しますよね。しかし、税務上は、一部または全額が「益金不算入」となり、課税所得から除かれるんです。

松木社長:なっ!?もらった利益なのに、税金がかからないだと!?そりゃすげぇ!

北野:これは、「二重課税の排除」という考え方に基づいています。配当金は、元々、配当を支払った会社が法人税を払った後の利益から出されていますよね?もし受け取った会社がさらに税金を払うと、同じ利益に二重で税金がかかってしまうんです。それを避けるための措置なんですよ。

松木社長:へぇ~!そんな仕組みになってんのか!てっきり、もらったもんは全部税金がかかるもんだと思ってたぜ!

北野:これが、会計上の「収益」税務上の「益金」が異なる一つの例です。


「払った費用」が認められない!?松木社長、またまた大混乱!

北野:他にも、「費用」と「損金」の違いでよくあるのが、「役員報酬」です。

松木社長:役員報酬?俺の給料のことか?ちゃんと会社の金から出てるだろうが!

北野:はい、会計上は支払った役員報酬は全て費用になります。ですが、税務上は、「定期同額給与」や「事前確定届出給与」などのルールを守らないと、損金として認められない場合があるんです。

松木社長:なんだと!?俺が頑張って稼いだ金だぞ!なんで認めねえんだ!

北野:これも公平性の観点なんです。もし青天井で役員報酬を費用にできたら、会社の利益をいくらでも減らせてしまいますよね。
例えば、法人の利益が想定より大幅に出たからといって、役員報酬を期末にドーンと支給して費用を増やしても、増やした分は「損金不算入」となり、課税所得に加算されます

松木社長:ぐっ…そうなのか…。


会計上の利益と税務上の利益を結ぶ「税務調整」とは?

北野:このように、会計上の収益費用と税務上の益金損金は、それぞれの目的の違いからズレが生じます。このズレを調整するのが「税務調整」と呼ばれる作業です。決算書の税引前当期純利益をスタート地点にして、税法上のルールに合わせて益金に加えるもの(益金算入)益金から除くもの(益金不算入)、損金に加えるもの(損金算入)、損金から除くもの(損金不算入)などを調整していき、最終的に「課税所得」を算出するんです。

松木社長:なるほど、別表四とかいうのが、その調整をしてるのか…。

北野:おっしゃる通りです!別表四で調整して、課税所得を計算し法人税を算出するというのが基本的な流れです。


まとめ:税理士と一緒に、賢く儲けと向き合おう!

松木社長:いやー、北野君、正直、頭がこんがらがったけど、少しはわかった気がするよ。会計上の儲けと、税金計算上の儲けが別物だなんて、へぇ~!だわ。

北野:ありがとうございます!会計と税務の利益は、似ているようで異なる側面を持っています。この違いを理解しないと、思わぬところで税金が増えてしまったり、税務調査で指摘を受けたりするリスクがあります。

松木社長:そうだな…。正直、この辺は税理士に任せておけばいいや、って思ってたけど、お前の話聞いてると、俺も少しは知っておかないと損する気がしてきたぜ。

北野:はい!松木社長の会計上の利益をしっかり把握しつつ、税務上のルールに則って適正な納税が行われるようサポートさせていただきます。何か不明な点がありましたら、いつでもご相談くださいね!


いかがでしたでしょうか?
ご自身の会社で「これってどうなるの?」と疑問に思うことがあれば、お気軽に北野税理士事務所までお問い合わせください!

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