こんにちは。税理士の北野です。
佐世保市・佐々町・松浦市・平戸市・旧北松地区を中心に、地域のできないを減らし、できるを増やす をミッションとして日々活動しています。
このブログは、こちらの記事の続きです。
今回は私が簿記の勉強を始めてから日商簿記2級に合格するまでのお話です。

簿記の勉強を始めた当時、私は父が倒れたことや仕事のプレッシャーで心身ともに疲弊していました。
父の病倒、将来への不安、IT企業でのプロジェクトリーダーとしての責任…。
頭の中は常に靄がかかったようで、思考がまとまりませんでした。
そんな中、簿記の勉強が心の拠り所となりました。
仕訳を理解し、P/L(損益計算書)やB/S(貸借対照表)を埋めていく作業は、まるでパズルを解くような感覚で、淡々と進めることができました。
何より、やればやるほどゴールに近づいていく感覚は心地よいものでした。
最初に参考書を見て感じたこと
簿記の勉強を始めるにあたって、はじめはネットにある簿記2級の合格体験記を読んだりして、情報集めをしました。
情報集めといっても、必要な勉強時間とおすすめの参考書を調べるくらいです。
本屋で簿記2級の参考書を手に取ったとき、私はこのように思ったのを覚えています。
(あぁ…なんて簡単なんだろう…)
これは、簿記の内容が簡単だと思ったわけではありません。
「受注をもらえる保証のない顧客にひたすら電話営業をすること」や
「1年後に〇億円の売上を上げることにコミットすること」あるいは
「仕事の不安と家庭の不安などが混ざり合った、もやもやした感情を払拭すること」に比べれば
とりあえず、この問題集の問題が解けるようになれば、「目標達成」となるわけですから
(なんて単純でわかりやすいんだろう・・・)と思ったわけです。
「目的・目標」に対する「解決策や打開策」が明らかであるならば、それをただ実行するだけです。
「簿記2級に合格する」ためには「手に取った問題集を全部解けるようになればいい」だけです。
当時の私は、そのようなマインドでした。
余談ですが、これらの経験により、仕事においても
「やればやるほどゴールに近づいていく感覚的なもの」や
「努力をしたことによる成功体験的なもの」が
成果を持続的に上げていくためには必要なのだ、という教訓を得ました。
仕訳の理解
学習初期は、おそらく多くの初学者の人と同じように、以下のような理屈を頭に浮かべながら仕訳を行っていました。
- 借方に表示するもの:資産が増えた、負債が減った、純資産が減った、費用が発生
- 貸方に表示するもの:資産が減った、負債が増えた、純資産が増えた、収益が発生
例えば
(売掛金は資産の増加だから借方、売上は収益だから貸方)
といったことを理屈で考えて仕訳を書くといった具合です。
しかし、学習を進めるにつれ、問題を見ただけで仕訳の形が自然と浮かぶようになりました。
理屈を考えずとも、感覚的に仕訳ができるようになるわけです。
仕訳のリズム
簿記2級の勉強は音楽を聴きながらやっていました。
勉強を進めている最中にふと、ジッタリンジンのプレゼント式勉強法というものを編み出しました。
例えば、以下のような問題があったとき:
問題:その他有価証券として保有しているA社株式からの利益剰余金を財源とする配当金 ¥640,000 が普通預金口座に振り込まれた。この配当金の振込額は、源泉所得税20%控除後の金額である。
このときに頭の中で「あなたが私にくれたもの~♪源泉控除後配当金♪」と歌詞をもじりながら、以下の仕訳をイメージするわけです。
- 普通預金 640,000 / 受取配当金 800,000
- 租税公課 160,000
慣れてくると、このメロディーが頭の中に流れている数秒間で、問題を読み、瞬時に仕訳のイメージができるようになります。
使用した参考書
日商簿記2級合格までに使用した参考書は以下の通りです。
- 『みんなが欲しかった! 簿記の教科書 日商2級 商業簿記』(TAC出版)
- 『みんなが欲しかった! 簿記の問題集 日商2級 商業簿記』(TAC出版)
- 『みんなが欲しかった! 簿記の教科書 日商2級 工業簿記』(TAC出版)
- 『みんなが欲しかった! 簿記の問題集 日商2級 工業簿記』(TAC出版)
- 『合格するための本試験問題集 日商簿記 2級』(TAC出版)
おすすめの勉強法
私が考える日商簿記2級に最速で合格するための勉強法は以下の通りです。
- 過去問に目を通す:まずは、いきなり過去問に目を通してください。解けなくてもいいんです。どういう問題が出て、どういうことを理解していけば、問題が解けるようになるのかを、なんとなくでもぼんやりでもいいので、イメージしてください。まずは、ゴールを見定めることが重要です。
- 教科書を1周通読:最初は理解できなくても構いません。全体像を掴むため「とりあえず1周」ことが大切です。
- 問題集(1周目):分からない問題はすぐに答えを見て、写経のように書き写します。分からなかった問題やたまたま正解した問題には×や△をつけておきます。
- 教科書に戻る:問題集で分からなかった部分の教科書を再度読みます。それでも分からなければ、後回しにします。
- 問題集(2周目):1周目で×や△をつけた問題を再度解きます。分からなければ、また答えを見て写経します。
- 過去問に挑戦:
- 合格点以上の場合:×や△の問題を重点的に復習し、苦手な論点が出題されても対応できる状態に仕上げてから試験を申し込みます。
- 合格点未満の場合:教科書を再度通読し、問題集の問題も通読します。答えは書かなくてもいいので問題から仕訳や解答方法をイメージします。その後、別の過去問に挑戦し、合格点以上であれば、上記のフローへ、合格点未満であれば、再度このフローを繰り返します。
※最初の過去問で合格点を取れたら非常に優秀です。多くの人は、過去問を解いたら合格点未満で再度教科書と問題集を見直すことになると思います。
教科書・参考書を読んでも分からない部分は、こちらのYoutubeチャンネルの解説がおすすめです。私もお世話になってました。
【簿記系YouTuber?】ふくしままさゆき https://www.youtube.com/@bokiYouTuber/playlists
勉強時間と試験結果
- 勉強時間:正確には計っていませんが、約100~150時間(1日2~3時間×50日)ほどだったと思います。
- 勉強開始日:2021年2月21日
- 合格日:2021年5月9日(CBT形式)
- 合格時の点数:88/100点
- 第1問(仕訳問題):20/20点
- 第2問(個別論点):8/20点・・・確か連結会計が出た
- 第3問(決算問題):20/20点
- 第4問(工業簿記①):28/28点
- 第5問(工業簿記②):12/12点

最後に
簿記の勉強は、最初は退屈で難しく感じるかもしれませんが、仕訳を理解し、リズムをつかんで学習を進めることで、徐々に楽しくなっていきます。
次回は、簿記2級に合格した後の戦略についてお話します。
お楽しみに。
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